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色どられた世界


実家を離れ15年、アパート暮らしをした。なぜ僕が独り暮らしをはじめたのか、ある一人以外誰も知らない。言わない。その間、いろいろな経験をした。友達もいっぱい来た。いっぱい笑った。今となれば、僕の大切な思い出だ。あの震災さえなければ、仕事も順風満帆だったろうし、まだアパート暮らしは続いていたに違いない。

僕が借りた部屋の隣には、まだ10代か20代前半の女の人が独り暮らしをしていた(変なことを考えるなヨ)その女性は梶原一騎の「愛と誠」に出てくる”愛お嬢様”みたいな女性だった(ホントなんだよ。髪が素敵で綺麗なんだよ。すげ~美人なんだよ)「僕、今度隣に引っ越してきたんです!よろしくおねがいしま~~す!」淡い期待を胸にタオルかなんか持っていきながら挨拶しに言ったのも束の間、実は女性には男がいつも行ったり来たりしていた。(そりゃそ~よね、こんなきれいな女性、ひとりでいるわきゃ~ないよ)

引っ越し初日のその夜、何の前触れもなく「ガッシャ~~ン!!」「ヤメテ~~!!!」笑

ビックリポン!爆。

どうやら男と女の別れ話から男が暴力を振るっているらしい。「オレと別れるなら、今から人を殺してくる!」(なんつ~こといってるんだこの男!)そんなセリフがバンバンばっちり聞こえてくるわけさ。

僕も、平々凡々と暮らしてきたものだから、そういう免疫はできていない笑。

なんか、ドキドキドキドキしてきた。タスケテ~

こっちにとばっちりが来るかもしれない、電気を消して死んだふりしていよう笑。(クマか?爆)

しかし、止むどころか、男は益々エキサイト!女は悲鳴を上げて泣きじゃくってる・・・

可哀そうな愛お嬢様、僕が誠だったら額の三日月キズを見せて助けてあげられるのに笑。

小心者の僕は財布を持って裏から外へ出ていき、近くの喫茶店へ行った笑。

ありがたい、すぐそこに喫茶店があるなんて、ほんとうにありがたい。タスカッタ~

あれは、忘れもしない5月の連休初日。

こんなことから、アパート暮らしは始まった。

そして、半年もたたぬ間に隣は引っ越していった。

そんな凄惨な日々を時々受けながら僕は、生活をしていたのだった。

あの男女はいまどこでど~しているんだろう???

津波で流されたそのアパート、僕の住んでいた部屋のあたりには今、大型ダンプのタイヤ置き場になっている。


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